いや〜、寒くなってきましたね。私の地域でも‐5℃とか平気で記録するようになってきました。寒い。
みなさんこんにちは!私は通年室内で37種類(前回より増えてる)のティランジアを二人の怪獣(息子)から守りながら育てているポンコツパパコタです。我が家のキセログラフィカの生育環境と合わせて育て方のコツや飾り方紹介していきます。
今回は、インテリアとしても大人気なエアプランツの王様「キセログラフィカ」の室内管理の方法を解説していきます。
白っぽく見える葉をロゼット状に展開し、ゆっくりとではありますが50cm以上まで成長する大型のティランジアです。乾燥にも強い日差しにも比較的強い銀葉種の代表的なティランジアなので是非その良さを皆様にも味わっていただけたらと思います。
初心者でも基本を知れば簡単に育てられるし、ティランジアの良さを存分に知ることの出来る品種なので是非最後まで御覧ください。

王の風格
キセログラフィカとは
種 :ティランジア・キセログラフィカ
英名:Tillandsia xerographica
分類:ブロメリア科/ティランジア属/ティランジア亜属
タイプ:エアー/タンクタイプ
分布:メキシコ/グアテマラ
開花サイズ:直径20〜40cm/高さ15〜25cm/花序を複数に分裂し紫色の筒状花
栽培難易度:普通
水やり:週2以上
夏の遮光:40%
花の香り:なし
有名どころだとイオナンタ、ドゥラティ、ウスネオイデス、テクトラムなどが同じ亜属内の仲間ですね。
ちなみにキセログラフィカは、自然界では絶滅危惧種でワシントン条約Ⅱ類でありますが、グアテマラなどで増殖された個体が多く流通しているため日本でも入手は容易です。
ホームセンターや園芸店で2000〜3000円位で販売されています。大株になるとそれは見事ですが、お値段も目ん玉飛び出る価格に巨大化します。Wow。
基本的なティランジアの好む環境
多くのティランジアは、「柔らかな光」と降雨や霧、夜露などによる「十分な水」の供給、そして屋外であることによる「適度な通風」そして「高い空間湿度」と「適した気温」などの条件が揃った環境を好みます。
少しまとめるとこんな感じ
| 好条件の環境 | |
|---|---|
| 光 | 木漏れ日のようなチラチラと陽光が降り注ぐ場所・光量が理想的 日本の夏の直射日光はかなり厳しい |
| 水やり | 乾燥に耐える力はあるが、水は大好き 植物体がしっかり濡れて滴るくらいたっぷり行うと◎ |
| 通風 | 空気の流れがあればよい程度 屋外ではほぼ心配なし、夏など室内が暑くなる場合は窓やサーキュレーターなどで穏やかな風を当てると腐ってしまうことが少なくなります。 逆に言えば通風がまったくないと蒸れやすいとも言える |
| 湿度 | 多くの種にとっては多湿が好条件(80%程度) 湿度が保てない場合は、水やりを頻回にしたり、観葉植物のそばにおいたり、軽石ベッドにしてみると湿度が保てます。 |
| 温度 | 生育に適した温度は15〜28℃程度 短時間であれば5〜45℃に耐えられる種もあります。 日中は暖かく、夜間は気温が下がる日本なら春・秋のような気温がティランジアにとっては好ましいく、よく成長します。 |
年間通して雨季乾季あれど安定して熱帯なメキシコやグアテマラのような場所とは違い、四季があって高温と低温の落差も激しい日本では多くのティランジアにとって過酷な環境といえますね。
キセログラフィカも漏れなく過酷な環境ではあります。
しかしキセログラフィカはティランジアの中でも丈夫な方なので瞬間的な高温や霜のかからない環境であれば屋外での越冬も可能なほど強健な品種です。
もちろん長野県は、青森出身の先輩が根をあげる程の環境なので屋外越冬はほぼ不可能では無いでしょうか。(条件が揃えばできそうだけど弱るし勿体ないから出来ない)
植物好きな方は、春〜秋は屋外の半日陰か遮光環境で育て、冬は室内に取り込んだりしますよね。
その方が環境が良くなるのでキセログラフィカもすくすく成長してくれますが、少しハードルが高めですよね。
キセログラフィカは強いので工夫しながら室内でも育てることは可能です。(大きく育てたいとかになるとまた別の問題ですが)
我が家の栽培環境
ちなみに我が家の環境はこんな感じです。
ミサワホーム半規格住宅(一応ZEHレベルは達成)で現在でいう「断熱等級5」くらい(私たちの建築時はそんな等級無かった)
| 温度 | 年間15℃以上キープ 時期によりエアコン24時間使用 |
| 湿度 | 年間40〜60%範囲 概ね40後半〜50%程度 冬季は加湿器使用 冬は結構頑張って湿度あげています。(子供風邪対策) |
| 明るさ | 南向き横長リビングで晴れ日中5000ルクス〜最大50000ルクス 冬は日射角度の影響で直射日光も入るため10000ルクス以上 レースカーテン越しの光またはブラインド越しのチラチラ入る程度の光 曇りの時も読書は出来る明るさは十分あり(500ルクス以上) |
| 通風 | 24hサーキュレーター+加湿器の風で空気の流れを作っています 時々充電式の小型扇風機も併用 休日は天気良ければ窓を開けて通風を意識 |
| 補光 | 植物育成ライトはなし 間接照明を夜間に使用(インテリアとして) |
| 備考 | 株を寄せたり、花瓶の上に置いたりして湿度をキープ 受け皿に水苔や軽石ベッドに鉢(バーク・軽石)など湿度維持の工夫をしています ポンコツマンの生息地は長野県なので他県に比べ標高が高い傾向にあり 内陸部でもあり、湿った風は吹かず湿度も低くなりがちです。 頻回なフワッと水やりで対応しています。 |

12月現在はこんな感じで25000〜18000ルクス程度

ちなみにここは50000ルクス近くあり日当たり良好です
以上を踏まえてご自身の環境での生育の工夫をしてみて下さい。
基本的には、冬は日の入りが早く日が日が短いので出来るだけ日に当ててあげたほうが元気に過ごしてくれます。
キセログラフィカの育て方
春〜秋は屋外で遮光・半日陰で栽培し発根していれば流木などに活着させたり、素焼き鉢などに植えると調子がいいと言われています。
ティランジアの基本についてはこちらの記事も参考にどうぞ
1.水やり方法・頻度
キセログラフィカは、エアータイプの性質と株元に水を溜め込むタンクタイプの性質を併せ持っているので環境が整っていれば「株元に水をためて」管理することができます。
しかし、裏を返せば暗い場所や環境が整っていないと水をためることで腐る事が多くなります。

室内で水ためて栽培した際は、こんな感じでシミになります。
なので室内では水はためないほうが無難です。
しかし、お水は大好きな種(ロゼット状で)なためお水やりは控えめにするのではなくメリハリつけてしっかりと植物体全体が濡れるくらいにお水あげましょう。

おすすめは、ミスティングです。
キセログラフィカに限らず、ティランジアの多くは自生地では葉を広げてそこに枯葉や虫の死骸、鳥の糞など溜め込んで栄養素として取り込みます。
なので自宅環境でもバケツにドボン(ソーキング)させたりしてしまうとせっかく与えた完熟性堆肥や植物性堆肥や葉の間に溜め込んでいたものが流失してしまうので基本的には霧吹きか、やるとしてもシャワーでサーっとかけ流してあげるのがおすすめです。
よく行く園芸店でもこの方法だそうで不正解ではなさそうです。
それこそサーキュレーターも24時間動かして・光は植物育成ライトや高演色のライトで1日12時間は足りない光補っています!みたいな人でなければ株元に水をためずミスティングで育てるのが良いでしょう。
頻度は、株を観察してシミがないか葉がしっとりしていないか確認しながら週2回以上行うイメージでいきましょう。しっかりと乾いているのであれば、我が家は朝毎日ミスティングを半年以上していても枯れません。
これは長野県で標高が高い・エアコンも使用していて部屋が乾燥しているなどの条件によるものもあるかも知れません。
我が家はこちらとDAISOの霧吹きを使用中
水やりは、ミスティングで週2以上、株元の水は1日1回はしっかり捨てて乾燥する時間を作る事が大切かなと感じます。成長のためにも日中は少しためて帰宅後捨てるでもシミにならずにふんわり育ちました。

葉がクルクルせずふんわりしています。ちなみにこれは水を切ってる図
2.温度
キセログラフィカはかなり丈夫で耐暑性・耐寒性もティランジア界隈の中では強い方です。
しかし生育適温としては、20〜30℃程度と言われており「人が暑すぎず・寒すぎず心地よい温度」が好きとおぼえておきましょう。
現在の住宅では、おそらく室内で息が白くなるような所に住む方は少なくなってきていると思うので基本的に室内なら温度のせいでキセログラフィカが枯れることは少ないと思われます。
夏でも基本的には室内で風通しよく過ごせる環境ならキセログラフィカは成長していきます。
我が家では、12月の朝でも窓際で15℃以上キープ出来ており、日中は日当たりも相まってすくすく育ってくれています。家が10℃以上あれば何も問題はなしと思っていても良いと思います。
夏は庇によって日光が遮蔽されるので室内は基本快適。エアコンも併用しながら人が生活できる環境ならキセログラフィカは生きていけます。
あとは、よくエアコンの風に直接当たると枯れますよって言うのを動画やインスタ等で見かけますが、我が家のキセログラフィカは半年以上実験的にエアコンのそばに置いていましたが、ピンピンしてエアコンの風を浴びていました。(風向き・風量自動のエアコン)
キセログラフィカは、株も大きいものが多く体力もあり、葉も他のティランジアに比べて肉厚で硬いため乾燥にはかなり強い印象です。さらにトリコームと呼ばれる水を取り込み・強い日差しから葉を守る器官がしっかりしている(銀葉種)ので乾燥かなりの耐性があると思います。
なので乾燥<温度・日当たりで乾燥する分には耐えられるし、水やりの頻度で調整してあげれば少なくとも我が家のキセログラフィカは1年以上枯れていないです。
お家が寒くなる・植物が冬乾かないって人はまずエアコンつけましょう←(電気代<快適性・植物脳)
キセログラフィカは乾燥にはそこまで気にかけず温度や日当たり優先で特等席を用意してあげられれば最高です。(個人の経験・感想です)
逆に部屋が寒くなる人や夜間はエアコン切るよって方は、冬は「耐え忍ぶ」時期です。
水やり頻度を落として乾燥気味に管理してあげると株が傷まず余計な体力を温存して越冬しやすいです。特に窓や玄関の近くは冬寒くなりやすい場所なのでご自宅の環境や窓の性能を考慮して温かい置き場所を工夫しましょう。
3.日当たり
少し上の温度と被りますがよく見るのは「レースカーテン越しの柔らかな光が入る窓辺」ですね。
用意出来るならば特等席を用意してあげた方が植物は喜びます。
我が家のキセロさんは、定位置はTVのよこのサイドテーブルの上ですが、私が休みの日などで家のいるときや冬は鉢ごと日光浴させています。

定位置

日光浴場所
こんな生活でも基本大丈夫です。
一応ストレスが減るように植木鉢に軽石など入れてその上にちょこんとおいています。
元気に成長させたければ「遮蔽物(レースカーテン・ブラインド等)があり、5000ルクス以上の場所」がキセログラフィカには最高だと思います。
ただ育てる・活かすだけならばこんな感じに日光浴生活でも大丈夫ですよ!
ただし注意点としては、動かしすぎて株が揺れたり、触られると大きくなりにくくなる可能性はあるということは覚えておきましょう。
植物が触れられるとエチレンガス云々カンヌンなので難しい事は置いといて移動したり触れたりすると植物も「ストレス」を感じるよということは理解しておきましょう!
そこでおすすめは、「植物に触れずに移動」させる方法です。

ティランジアのオードブル

花瓶の上にちょこんで花瓶を移動
このようにすることで水やりの際や移動の時もストレスを最小限に出来る(はず)のです。
飾る・育てるが一石二鳥な便利アイテムが「ボタニーハンギングポール」です。
植物のことを好きな人が考えたんだなっていう安くて・オシャレで・便利ないい商品なので是非御覧ください。
とにかくデカくしたければ「レースカーテン越しの柔らかい光」の特等席で動かさない
植物をゆっくり楽しみたかったら「時々日光浴させる」おじいちゃん生活
まぁ用意出来うる範囲で日当たりの良き場所を用意してあげるとキセログラフィカは喜びますよ。
ちなみにオススメの置き方は最初の1株はこんな感じに

花瓶や植木鉢におしりがつかないように置いてあげるのがオススメです。
こうすると水もそこまでたまらず、空気の循環が不十分でも乾きやすいです。
時々しっかりお水あげて数時間してきたら

ひっくり返して水切りするのもオススメ
この方法でお尻の黒ずみもなく(少なく)、健康に葉が広がってきているので是非お試し下さい。
そのうち何個も欲しくなるから色々試せばいいと思います←
4.通風
キセログラフィカに限らず多くのティランジア達は風の動かない環境が苦手です。
厳しい環境で少しでも多く水を溜め込んで生きていけるように進化した結果甘やかされて水をじゃぶじゃぶ与えられた環境で風がないとだんだんと蒸れて枯れてしまいます。
室内でサーキュレーターを使っていればベリーグット無ければ、換気設備の傍や人通りの多い場所、エアコンの風の通り道(邪道ですが)に置くのが良いです。
「空気が動いている環境」に置く事が大切なので風の通りは意識してあげると枯らす確率がグッと減ります。
初心者の多くの失敗は、風や光が少ないのに水が多すぎるという失敗です。
上記のように「特等席」であれば多少ミスっても植物の力で耐えてくれますが、光が無くて(光合成できない)風もない(蒸散できない)環境では植物は弱りやすいと覚えておきましょう。
我が家では、弱風ではありますがサーキュレーター→加湿器と空気の通りを意識して空気循環を作るようにしています。

少し昔の写真ですが、サーキュレーター→TV→加湿器の順で隅の部分の空気を循環させています。
ちなみに写っている1代目キセログラフィカ(水多くてシミた奴)はここ暗いのか少し徒長していますね。草
サーキュレーターはDCモーターで比較的電気代もお安いので植物元気に育てたい人はあると便利な道具の一つですよ。
風があれば洗濯物と同じで乾きやすくなります。
失敗しないための土台作りとして是非サーキュレーターは取り入れるのをおすすめします。
あと天井が高い人は暖房効率や冷房効率も良くなるのでおすすめです。
窓が開けられる季節には水やり後30分だけでも窓開けてあげるだけでもだいぶ違います。

早く春か秋が来ないかな〜
5.肥料
キセログラフィカは肥料が無くても問題なく生育します。
大きく成長させたいという方や環境の悪さに耐えるための体力を維持させたいという方は「液体肥料」「堆肥」「活力剤」を使用をおすすめします。
液体肥料は、我が家では2000倍程度の濃度で水やりの2回に1回程度の頻度であげています。
二種類使っていて味変(?)のため1月ごと違う種類のものを与えています。
液体肥料の記事はこちらを御覧ください
もちろん定番の「ハイポネックス原液」でもOKですよ。
時々洗い流す目的に水のみで液体肥料を洗い流すようにしています。
「某エアプランツの聖地」で2000倍なら毎日でも大丈夫と仰っていたので我が家も真似しています。
コツはとにかく「薄く薄く」植物に栄養を与えてあげることだと感じています。
液体肥料は多いと毒にもなり得るので注意しましょう。
あとは月に1度くらいの頻度で「植物残渣」や「植物性の堆肥」をパラパラと葉っぱの間に入れて自生地のように葉の間から栄養素を吸収出来るようにしてあげています。
我が家は、「湖の恵」と熱帯植物栽培家の杉山さんのB・C「コンポスト」を使用しています。
これも2種類味変ですね。
あとは元気のない時、夏前・梅雨時期・寒くなる前など季節の変わり目に「活力剤」も使っています。
最近は2回1回使用して変化見ていますが、結構頻度増やしても調子崩さないのでこのまま液体肥料と交互に使ってみようかと思っています。
まずは定番の「リキダス」からご用意下さい。
Caも入っているので発根してからの成長にも期待が出来ます。
あとはもう1種類あるとバランスの良い食(植)事になると思うので
おすすめはこの2つどちらも実際に使っていますが、どことなく使った植物がいい顔してくれている気がする(個人の感想です)
このように基本を抑えておけばキセログラフィカが枯れる危険性はグッと減っているはずです。
・水やりはミスティング、室内では株に水はためない(1日1回は捨てる)
・温度は人も心地よい20〜30℃ 乾燥よりも温度・日当たり優先でOK
・置き場所は出来れば特等席(50000〜10000ルクス)、出来なければ日向ぼっこでも可
・植物には触れすぎず、鉢や花瓶の上に載せて移動・水やり
・通風はめっちゃ大事
・肥料や活力剤で元気で体力のある株を育てる
これで室内でも育てられる土台が半分できました。あとはみなさんのお家の性能や環境で試行錯誤しながらキセログラフィカと楽しい植生活をお楽しみ下さい。
株が成熟して開花まで3〜5年、長く咲かない株だと10年近くかかるものもいるそうです。
しかし、株から花序が伸びていく様は「感動」する事間違いなし!
ゆっくりとキセログラフィカと歩む生活、してみたくないか?
そのまま置いておいても、吊るしてもインテリアとして「絵」になるティランジア
中でもティランジアの魅力が詰まりに詰まった「王様」キセログラフィカ
枯れかけても子株が吹くそんな健気なキセログラフィカを是非育ててみてください!
長い記事を最後まで見てくださりありがとうございます。
みなさまの植生活が彩りある豊かなものになりますように!
今日も良い一日を! ばーい!

ティランジアって、、、いいよね

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