
みなさん「ねこチップ」という用土はご存知ですか?
SNSでも大人気の用土で今「最も売れている観葉植物の土」と話題の用土です。
ココチップ(ヤシの実チップ)と日向土(日向軽石)をMIXしたシンプルな配合ながら排水性抜群で、長時間育成しても日向土が混合されているため空気層が維持され続けるという植え込み資材です。
実際に使ってみて私の生育環境では、正直あまり合っていないと感じました。
その理由、解決方法も含めてお話していきたいと思いますので、よろしければ最後まで御覧ください。
表面に見えるのが土っぽくないのでビジュアルは個人的に好きです
ねこチップってどんな用土
上でも軽く触れましたが、しっかりとふるいがけされたココチップ✕日向土が約2:1で混ぜ合わされた用土です。
ココチップの役割としては、物理性を維持しつつ収縮と膨張を繰り返す性質があるので通気性が◎
日向土としては、とにかく硬いので物理性◎、であり多孔質構造をしているので排水性もよくなりそうですね。
ちなみに動物の猫(ΦωΦ)さんとは無関係で
この用土の開発した方が「nekoteito(通称ねこさん)」といい植物を大きく育てるために開発した用土がねこチップになります。
ざっくりと一般的な用土の違いは
・軽い
・土っぽくない
・手が汚れにくい
・虫がわきにくい
・掃除が簡単
・排水性、通気性が抜群
といったところでしょうか?
キレイで植え替えのハードルをグッと下げた用土になっていると感じます。

普通に使うだけで空気層がたくさん出来ています。
物理性の高い用土で間違いはなさそうですね。
ねこチップの使い方
まずねこチップを用意します。
ねこチップはサイズが大小あり、大きいサイズになればなるほどインテリア性は高まります。
基本的には、
2.5〜3号や多肉は、ねこチップ(S)
4〜6号は、ねこチップ(M)
モンステラなど根が太く張るものは、ねこチップ(L)を、アロカシアには(SS)を
みたいにある程度目安があるので目安通りのサイズを購入してみてください。
色々な情報はありますが、基本4号以上は(M)or(L)で
3号以下は(S)サイズがいいんじゃないかなと思います。

真ん中がねこチップ(M)サイズ
他の用土や肥料を混ぜて使うのもおすすめ 活性炭や木炭など(画像右)
元肥にマガァンプKも
我が家の環境だったらもう少し軽石やバークチップを足してもいいかもしれない
もっと排水性に振り切らないと我が家の環境では厳しかったです。
植え付け時の注意点
植物の土が変わる場合は、優しく土の8〜9割は落として植え付けを行います。
根をツンツンして土を落とすと動画では言われておりましたが、個人的にはバケツなどに水を貯めてドボンさせながらやさしくほぐす方がいいのではと思います。
個人の感想ですが、根かき棒にあんまりいいイメージないんですよね。
出来るならツンツンせずに、土をある程度水バケツの中で落としてあげます。
あとは普通にねこチップをさらさら〜と植え付けるだけですね。
植物はグラグラしたりは嫌がるので、出来るだけふんわり植え付けてあげるのが良いそう。鉢を側面からトントンしたり、株元抑えて鉢を床にトントンするとよさげ。
注意点としては、私はトントンさせて少し指で詰め込むように植え付けたら通気性が阻害されたのか、大切なモンステラさんが根腐れしました。

あんまりギューとしないほうがいいと思います
皆さんは軽めに、そ~と扱う感じに植え付けてくださいね!
鉢選びの注意点
植物を植え付ける鉢を選ぶ際に、私は出来る限り小さめの鉢を選ぶことをおすすめします。
イメージとしては、数種類のサイズの鉢を用意して根鉢の大きさに対してピッタリ〜わずかに大きいくらいにしておくといいんじゃないかなと思います。
有機質多めの用土になるので乾きにくいと感じます。
ネットでの口コミ見ると乾きやすくて毎日水やりが出来ます みたいなものがありますが一般的な環境だと思っている我が家ではそんなに早く乾かないです。
ほかにココピートや水苔よりは乾きは早いですが、無機質中心の土や無機質オンリーの土には乾きやすは敵わないと感じています。
ココピート・水苔 < ねこチップ < 無機質・無機質中心の土 といった感じです。
ちなみに我が家の温度は、長野県在住・室内年間通して15℃切らず30℃も超えない(適時24時間エアコン使用)、サーキュレーターor自然風にて通風、南横長リビングで晴れ10000ルクス〜、曇でも5000〜2000ルクス程度、湿度は40〜60%で中央値40後半という環境です。
普通のお家ならこんなものじゃないかなと感じます。
お水やりの注意点
これは、ねこチップのキャッチコピーみて勘違いしそうな部分だと思いますが、
(極端な話)毎日水やりしても根腐れしません。
と記述されていてこれは勘違いするよねと感じました。
けして毎日水あげしても大丈夫だよってことではないと思います。
おそらく枕詞で(日照が十分にあって、風も十分に動いていれば)極端な話毎日水やりしても根腐れしません。なのでは?と感じてしまいます。
これはどんな土でも植物が好む日照と風通しが確保されていればよほどの土でなければ毎日水やりでも根腐れはほとんどないと思われます。
実際に我が家では、トマトを家庭菜園として子供とそだてていますが、毎日水やりしていても今日も元気に実をつけています。むしろ水を欲しがるまであります。
(環境が十分に整っていて)出来る人は、毎日あげられるだけお水をあげましょうってことです。
植物はそんなに弱くないです。ある程度乾かしてから水あげしてもよいのでは?と私は感じます。
植物は、停滞水を基本的に嫌うのでたっぷりしっかりが基本です。
実際につかってみてどうか
僕自身植物の数は、これ以上増やせない(妻とのお約束)により色々と用土の実験が好きなんですよね。
それでこれだけSNSなどで騒がれていれば気になりますよね。ってなわけで基本的には無機質中心の土が好きな僕ですが半年以上つかってみた感想です。
ねこチップのデメリット
- 水やりのタイミングがわかりにくい
- 植え替え直後安定しづらい
- 軽すぎる
- 少しだけ割高
こちらになります。
水やりのタイミングが初心者の私には分かりにくかったです。植え付けの仕方も良くなかったのかもしれませんが、ジャージャー水やりは継続してやっていましたがモンステラ最後まで調子は上がらず鉢から抜いてみてみたら根腐れさせてしまいました。
有機質は、私の中で水やりのタイミングが少しむずかしいと感じています。
あとは、我が家の環境に合わないのかも知れませんね。
私は水やり大好きなので最高の用土かよって思っていたんですけど、こればっかりは環境との相性もありますね。でも窓開けっ放しにして風ガンガン回って温度もあるよってお宅だったり、春からは屋外で管理するよとか、長野県以南の温かい地域にお住まいの方にはかなりおすすめではないでしょうか?
次に安定しない、軽すぎるですが上記のモンステラ根腐れ事件の様に株の安定を取ると乾きにくく・通気性が損なうように感じます。とにかくそーっと丁寧に扱って下さい。(ベラボンみたいに株元掴んで持ち上げられるくらい固く植え込むのはNGかと)
また我が家は、マドカズラをモスポール仕立てで鉢はねこチップ植えにしているんですが、軽くて何度か倒しました。葉っぱにもダメージになるので陶器の鉢カバーで対応しましたが、せっかくのスリット鉢の通気性が、、、
水分は、保水しきれない分が時間と共に下に落ちていく感じです。これは軽石やねこチップ(通称:ねこベッド)を作ることで余分な水分を捨てなくて良くなるかも知れません。
ただ貧乏人なので植物にねこベッドは高級すぎます。(´・ω・`)笑
マドカズラは、2ヶ月ほど経って以前よりは調子が良くなってきたのを感じるので今後も経過を見ていきたいですね。

やっぱり傷んでました(2025.9)
私の環境では水やりが難しい、ねこチップに水苔が触れないように工夫もしたのに、、、
どなたかアドバイス下さい、、、切実に、、、
あとはお値段ですね。これは高いな〜って感じちゃいます。
まぁブランド代も含まれているとは思いますが、ココチップ✕日向土です。めっちゃシンプルな構成なんですよね。
私は、お酒もタバコもしないのでお小遣い15000円でもやりくり可能ですが、5Lでだいたい1700円。
ベラボンと日向土かって洗って混ぜれば自作ねこチップになるのでは?と思ってしまいます。その方が安いし大量
まぁこれは推し活に近いのかなと感じます。
値段じゃないのよ、お金を落とすことで推しの血肉となる快感のためにお金を払うのです。
ねこチップのメリット
・見た目がキレイで良い感じ
・手が汚れない・鉢をこぼしても片付け簡単
・大鉢になると軽さは正義
・水やりの頻度さえ気をつければ根張りがよく育つ
あとは、小さい株に関しては、ねこチップ調子がいいんじゃないかなと感じています。
要素としては、湿っている時間が長く、ロングポットで管理しているので適度な湿度が維持出来ており、挿し穂も小さいので安定しやすいからでは?と感じます。
今まで水差しでは根が出なかったフィロデンドロン・ジェイドシャトルコック(元モンステラ属)の挿し穂が根付いてくれている感じがします。
もう少し大きくなったら画像も追加しますね。

適度な湿り気が維持出来ている
あとは見た目、「土」って感じがしないのでどうしても室内に土を持ち込むのに抵抗がある方も比較的抵抗なく導入出来るんじゃないかなと思います。
そして園芸やっていると絶対にこぼしますよね。
粒が大きいのでそもそもスリットからポロリも少ないですし、子どもたちがぶつかってガッシャーンとしても微塵も少ないのでちりとりでスッと集めてポイです。これはねこチップ特有のメリットですよね。
ガーデニング手袋つけてとか準備のハードルが下がるのも気軽に園芸楽しめていいと思います。
我が家では、そこまで大きな鉢はありませんが10〜12号の鉢になってくると急に土の量も増えてきます。正直普通の土だと水やり後の鉢は、力がない方だと持ち上がらないんじゃないかな、、、
しかし、ねこチップは軽いです。それこそ5号程度だと風に煽られる程に軽いので大きな鉢にしていく時はメリットになりますね。多分1/2〜1/3くらい重さが違うんじゃないかな。
これならお風呂場や屋外に持ち出してシャワーじゃ~じゃ〜かけてあげられますね!
最後は、根張りです。
分岐する根ではありませんが、自然と乾湿と適度な空気が入りやすい用土のため水やりの頻度や植え付けの仕方のポイントをしっかりと押さえればグッと根が成長してくる用土だと感じます。
葉っぱを大きく育てて楽しみたい方や植物のための環境が整っている方はでっかい育てる用土として大変オススメです。
まとめると
ねこチップおすすめな人 | ねこチップ苦手な人 |
◎環境(光・風・温度)が整っている ◎植物をでっかく育てたい ◎水やりが乾いたらしっかり・たっぷり行える ◎室内で軽くて清潔な用土がほしい ◎大鉢で植物を育てたい(水あげの場所問題が不安) | ◎環境が整えられない(特に冬寒い方) ◎植物が大きくなると困る ◎あまり水やりが頻回に出来ない (水持ちのよい用土の方が合っている方) |
といった感じでしょうか?
色々Q&A
Q.水やりは毎日OK?
A.環境によると思います。日照もすくなく、風も動かない環境であればねこチップでも根腐れしてしまうとおもいます。
きちんとふんわり植わっててなら多分大丈夫、ただ私のように間違って植えると根腐れる

初心者でも水やり簡単、毎日じゃぶじゃぶOKではないと思います。
きちんと植物の表情を観察しながら適切に水やりが必要な用土ではないかと思いました。
これはねこチップに限らずどの用土でもだと思います。
Q.ショートで潤流って出てきたけどやって大丈夫
A.屋外とかめっちゃ環境が良ければ、つまり温度と空気の循環次第だと思います。
屋外は、熱帯植物達が好きな温度帯ですし、直射でなく半日陰のような光量はあるも直射は当たらない環境で風が吹く環境ならそれだけじゃぶじゃぶ水あげても根腐れしないと思われます。
むしろ代謝があがってめっちゃ育つと思う。
やっぱり環境って大事で、有機質の土・無機質の土でも環境にバチッと合えばいい表情してくれます。

屋外に初めて出して、曲げて育てる時に葉を随分間引いたのですが、ワサワサと新芽が
このガジュマルは、カッコよくなるぞ〜(長男の命名は◯ン◯ンだけど)
Q.ねこチップって根がめっちゃ育つよね
A.団粒構造が物理的に確保されており、通気性も抜群で根の成長をサポートしてくれる用土です。
私、自身は良く分岐した根がいい根だと思うし、好きなので目指す場所はそこですが
有機質の場合、鉢の上下で乾き方に差が出来るのでより水分を求めて下の方に根が出やすいのかなって感じます。その後上へ肥料分を求めるのかとマガァンプ小粒やTHE・コンポスト、湖の恵など追肥でサポートしてあげると良い根鉢が出来ると思います。

画像引用元:e-花屋さんさま
おなじ植物ではないが下の画像と比較すると根は太く分岐は少ない印象。
こちらは根の回り方が鉢増しして育てた植物の画像なのかな〜ってぼんやり感じました。
なのでねこチップは、肥料分を求めてココチップに絡みついて(ソイルキャッチして)分解→栄養を得ているのではないかとおもいます。これが動画で言われている毛細根がすごい!ってやつだと
これは出し方の違いですよね。無機質であれば轢にぶつかって分岐を促して毛細根をたくさん出させる方向だし、ねこチップは用土の環境と有機質の分解に対して毛細根が出るのではと思う。
まぁこれはどう育てたいかにもよると思います。

画像引用元:e-花屋さんさまより
↑この分岐は無機質だからこそだと思う。
毛細根を育てたいなら無機質用土の方が有利、太い根を張らせて大きくしていきたいならねこチップかなと
Q.pHショックってあるの?
A.個人的にはあんまり気にしなくていいのでは?と思う。環境の変化、植え替えの際に根を乾燥させたとかストレスとか色々な要因があるのでよく観察して水やり行う方がいいんじゃねと思う。
毎日水やりよりは、園芸店などよりは少し暗めの場所で乾燥→水やり2w程度で植え替えの流れのが優しい気がする。また植え替えたら少し慣らすってのが大事じゃないかなと思います。
あとは仲良くさせてもらってる園芸好きの方とも話していてpHショックなんて昔は聞いたことないけどなぁとおっしゃっていたのでその通りだなと
これだけ園芸が進歩しているのにエビデンスなども出てこないのはそれだけ原因の特定が困難なんだと思います。なので初心者は気にせず、慣らしながら楽しく過ごせればOKだと思います。
植物はそんなに弱くないし信じて園芸を楽しみましょう
杉山拓巳さんの土のPHって何?の動画も参考にしてみてください
実験を元にしているので尊敬しかないです。
古い葉に黄色い点々が出たら植え替えか苦土石灰でOK。
植物はそんなに弱くないし信じよ(2回目)
Q.有機質は寒がるの?寒がらないの?
A.こちらはねこチップの開発者さんは動画の中で寒がらないとおっしゃっていました。
ただ一般的には有機質の方が寒がると言われています。
結論としては、無機質よりはねこチップ始め有機質主体の用土は寒がるという印象です。
例えば、耐寒性5℃の植物がねこチップに植えたら8℃で寒がるということはないかも知れませんが、5℃になってしまえば寒がると思います。
耐寒性が低下するわけではなくでその植物の嫌な温度帯できちんと寒がるという印象。
よく比較される無機質用土は、この耐寒性のポテンシャルをしっかりと(限界以上に)引き出す可能性が高いのだと思います。
例えば、耐寒性5℃の植物が一時的な0〜5℃といった普段なら不調をきたす温度帯でも耐えてくれたりするといった感じです。もちろん痛みは出るかも知れませんが、、、
ここでの注意点は、無機質も耐えられるだけで寒がりはすることだと思います。
無機質だから寒くても平気ではなく、ギリギリ生き残るけどそっからの立ち上がりに時間かかるみたいな感じ
あとは水の含み方の違いはあるかも知れません。

鉢内に水滴がついていてココチップはややベチャっとしている感じ

無機質は塊(粒)の内部が湿っていて空気層に余分は水分は残っていない感じ
ちなみに左は水やりから数時間後、右の無機質用土は水やり直後です。
あくまで初心者に毛の生えた私程度のイメージではありますが、このまま室温が下がれば気化熱で寒がるのは有機質だと思います。
よって「有機質の多いねこチップに植えたからといって耐寒性は下がらない」が「無機質よりは有機質の方が寒がる傾向にある」というのがやっぱり正解なんじゃないかなと思います。
ただ現代の住宅ってそこまで寒くなる家少なくなってきているのであんまり心配せずどう育てたいかで決めてOKだと思います。
なんだか個人的な意見が多かったですが、動画やネットを見ているといいことばかり書かれている事が多くて私自身使ってみて感じたデメリットもしっかりとお話させて頂きました。
今回残念ながら私の環境には合わなかったというのが結論です。
そこまで寒くもないしある程度は風も回っているんですがね、、、
自分自身でメリット・デメリットを天秤にかけて判断していきましょう!
ちなみに私の生育環境(植え方?)では、ねこチップに惨敗したのでオリジナル用土開発してリベンジを計画中です。

是非興味をもって下さった方は見てくださいね! 作りました→こちらへ
バークを入れてみたいんです、私は!
皆様もよい植生活をお過ごしください。
今日も良い一日を! ばーい!

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