今回は、初心者から色々な用土を使ってみて紆余曲折しながらある程度しっかり育てられるようになってきた私の経験談と失敗談を交えながら初心者はどんな用土を使うのがいいのか考えてみました。まだ初心者から毛の生えたような私が、初心者目線での用土選びをお手伝いいたします。
最初に買うべき用土おすすめはこの3つです
- PROTOLEAF Premium 硬質 室内向け観葉・多肉の土
- ベラボン・プレミアム
- ベスト・ソイルミックス

使ってみてこの3つは安定感が半端なかったです。
とりあえず何も考えずに上から順番に買っても問題なしの3つです。
私自身、植え替えをしようとホームセンターにいって培養土コーナーみて呆然としました。
え?なに?こんなに土って種類あるの?どれ買えばいい?
とりあえず野菜・花の培養土でいっかと適当に選んで失敗した私です。
みなさんもどれがいいの?って悩んだ事ありませんか?
もちろん誰でもどんな環境でも植物が元気に育つなんていう理想の土はありません。
逆に言えば上のような失敗した私ですが、植物自体は枯れることなく生きています!
細かく言えばふかふかの培養土をつかった植物はびょーんとだらしなく伸びて育ちました。(徒長)
環境も現在の私の育てている環境と比べると劣悪でありました。でも植物は強いですね。
それでも生きて今もすくすくと育っています。

サンセベリア・シルバーニンファ 「長男命名パイナップル」 徒長した部分は切って仕立て直しました。
玄関の寒い環境にも耐え、3年以上生きてくれています。
そんな失敗もした私だからこそ、あぁ初心者はそうやって選べばいいのねっている指標が欲しかったのです。そんな意味も込めて皆さんの用土選びの参考になれば幸いです。
いい土の条件とは?
- 通気性(酸素がたくさんある)
- 排水性(水が溜まらず、しっかり排出することが出来る)
- 保水性(適度の水分を保持出来る)
- 保肥力(栄養素を保つ事が出来る)
よく聞くのはこんな所でしょうか?
これ初心者の時は、混乱しますよね?
通気性、うんうん、排水性ね、まあ、保水性?、んん?みたいな
それ矛盾じゃね、排水って言ってるのに保水?みたいな感じでしょうか。
なんとなくここの部分で屋外の農業的な部分の話もごっちゃになってよりややこしくなってしまっているように感じるんですよね。
屋外と屋内では求められる土も違います。
畑や露地栽培と屋外鉢栽培と室内鉢栽培どれも求められるものが違ってきます。
結論から言うと。初心者におすすめなのは
「コロコロしていて砂っぽくない、乾きやすい土」がオススメです!
→なぜか?
私も含め、初心者は植物のために十分に良い環境を用意出来るかというと難しい事が多いからです

生産者やしっかりした園芸店で管理されていれば日光も十分に当たっています、水も適切なタイミングでやっています、風もしっかりと24時間動いています、肥料も適切に与えています。
と、どんな土でもある程度対応出来てしまいます。
しかし、初心者であれば日光と水は必要と分かっても、風の重要性を説明出来る方は少ないのでは無いでしょうか?そして日光も室内の置く場所によっては不足している事も多いのでは無いでしょうか?
そうすると水やりはしっかり行い(やりすぎぎみ)、日光と風が不十分な状態
植物としては代謝が満足に出来ていない状態になりやすいのではないかと思います。
人間で例えれば、ベッドの上でご飯はだけ食べて、運動出来ない状態みたいな
きっと身体いつか壊しますよね。
だから初心者こそ用土をしっかりと選ぶと枯れてしまったり、元気をなくしてしまうリスクを減らせるのです。

前置きが長くなってしまいましたが、それぞれ理由をお話していきたいと思います。
PROTOLEAF Premium 硬質 室内向け観葉・多肉の土
この用土は知らなくてもPROTOLEAF様のことは園芸店やホームセンターに行けば見たことあるのでは無いでしょうか?
今回はPROTOLEAFの専門用土の中でも「Premium 硬質 室内向け観葉・多肉の土」です。

もともとは緑色の「室内向け 観葉・多肉の土」という硬質ではないタイプが有名です。
私も最初この緑のタイプから初めましたが、今買うならこっちかなと思います。
Premium 硬質 室内向け観葉・多肉の土の良いとことは
- 硬くてゴロゴロ、排水性がいい
- 肥料無添加
- 微塵が少ない
ちなみに緑のタイプは元肥入なのでここも差別化されていますね
配合材料名は 焼成硬質赤玉土、焼成軽石、珪藻土、ゼオライト 等となっています。
のちほど解説しますが、こちらの土は無機質素材のみで構成された無機質用土ですね。

白っぽくてゴロゴロ系 濡れると色が濃くなるので乾き具合も分かりやすいですね
◎排水性
これは抜群にいいですね。土同士が擦れて崩れた粉(微塵)が少なく、植え替えるだけで物理性の高い植物のための土台が完成します。粒度も概ね揃っていて使っていくうちに隙間が無くなって排水性が悪くもなりずらそう。発売から今日まで使用していますが、見た目で崩れたりもしていません。
◎通気性
排水性が良ければ、排水された水のあとには空気が入り込みます。これが通気性がよい土です。
もちろん根が空気に触れすぎるのを嫌がる植物もありますが、初心者はそこまで気にせずまずはよく乾く土を目指せばOK
◯保水性
保水性はおそらく、赤玉土・ゼオライトが保持しますが、乾きやすくて使いやすいです。
植物の成長には乾湿の繰り返しが大切で、水を求めて根が伸びていきます。
観葉植物は花や葉を楽しむものですが、実際はいかにして根を育てるかという事につきます。
根が貧弱なら、上も貧弱になります。しっかりした石垣があるから立派な城が建つのです。


土台は大事!
◯保肥力
肥料を保持する力は良くも悪くもなくでしょうか。
ただし、この用土に肥料は入っていません。むしろこれはメリットな部分でもあると思います。
植え替えの際に根がダメージを少なからず受けてしまします。千切れたり、土という身ぐるみを剥がされたりと少なからずストレスを感じています。
そんな時に肥料は毒になりえます。メーカーも研究してくれているので枯れることは無いまでも、根が肥料によってダメージ→水が吸えない→根腐れへと以降する可能性もあり
なくても後で追加すれば良くないかというのが、私の考えです。


左:液体肥料 右:固形肥料
左から ハイポネックス トップクオリティ 観葉植物 花工場 ボタナイス
どれも後から追加するので植物の様子をみて辞める事が可能。
土の中に入った肥料は取り出せません。
◯値段
現在のアマゾンでの値段は1L辺り390台とコスパはすごく良いとは言えないかも知れません。
ただこのお値段で土が乾かない問題を解決出来るのであればやはりおすすめですね。
1万5千円お小遣いの私でも、発売とほぼ同時に買ってまだ使い切れていません。
50鉢以上あるよとじゃなければこの土は、容量も保蔵しやすくいい選択では無いでしょうか?
ベラボン・プレミアム

こちらも聞いたことがある方多いのでは無いでしょうか?
株式会社「フジック」の40年以上愛されたベストセラー商品「ベラボン」
それをさらにふるいにかけて粒度もそろえ、アク抜きを強化したものが「ベラボン・プレミアム」になります。
ココヤシ(ヤシの実チップ)を特殊加工した商品で、本来吸水しないココヤシを特許技術によってスポンジ状の繊維に加工に成功し、吸水性・保水性・排水性に優れた園芸資材です。

5〜8mm程度の他社製のヤシの実チップに比べ明らかにふわふわで気持ちがいいです。
ベラボン・プレミアムのいいところは
- 物理性がとても良い
- 他の有機資材に比べC/N比が高く、劣化しにくい
- 室内に土を持ち込まないため汚れない・処分・再利用も簡単
- 他の資材と混ぜて利用も可能
- 軽いのに株を安定させやすい
- 有機物の土にしてはガッシリ育つ(気がする)
ちなみにこれももう少し安い普通の「ベラボン」も売っていますが、使いやすさや利用の幅を考えるとベラボン。プレミアムを買ったほうがお得だと感じます。
驚くほど金額の差はありません。金額で数百円、1L単位でもそこまで高くないと思います。
◎物理性は良い(通気性、吸水性、排水性、保水性が◎)
まとめてしまいますが、これはとても良いです。ベラボンは水を含むと膨らんで、膨張と収縮を繰り返します。そうすると土壌に動きがでて物理性自体が改善しやすくなります。
ただし、注意点として無機質用土に比べると乾きづらい面はあります。
我が家の環境では、無機質・無機質メインの土は2〜4日程度で乾いてくるものが多いですが、ベラボン主体のものは約1週間に1度の頻度で水やりしています。
冬になればもう少し頻度が空いてしまう可能性もあります。
乾湿の繰り返しが根を成長させるので、乾きづらいのは少しデメリットですね。
乾きづらいと言うことは根が傷んでいると腐敗が進みやすくなり、これが根腐れにつながる可能性があります。
ベラボンで根腐れさせないポイントとしては、2つ
- 気持ち小さめの鉢に植え付ける
→そうすることで乾湿のサイクルを早め、代謝をよくする事ができます
- 無機質よりも風が動きやすい場所においてあげる
→物理的に代謝を上げて乾きやすくしましょう。

これはベラボンではありませんが、キッチンペーパーや吸水スポンジなどで強制的に排水させてあげるのもおすすめです。
劣化のしづらさですが、5年以上長持ちするとの記載もありますが、劣化はします。
よく亀の子タワシの原料ですよ、腐りませんと言われますが、特殊加工されたベラボンは水も肥料も吸収します。劣化もするし、少しずつ腐敗もしていきます。
この世界にいる以上わずかながらに微生物などの影響を受けて分解は進んでいきます。
炭素率(C/N比)が高ければ高いほど分解はされにくいですが、されないわけでは無いと言うことですね。我が家での様子だと化成肥料を使っていたためか意外と劣化が早かった気がします。
ちなみにベラボンのC/N比は162、だいたいこの数値が20〜30くらいが肥料効果と土壌改良効果のいい塩梅の目安になります。低いと土壌改良<肥料、高いと肥料<土壌改良効果が高い資材という訳ですね。
なので化成肥料を併用しながらベラボン・プレミアムを使う場合は1年〜すくなくとも2年に1回程度は植え替えをしてあげるとよりよい生育に繋がると思います。

上 微粉ハイポネックス、マガァンプ小粒・中粒
右 液体肥料

このような肥料は匂いもなく便利ですが、土壌の微生物にとっては餌となる有機物ではないため、どんどん微生物が少なくなってしまいます。
だから畑では、堆肥を追肥したりして生態系を豊かにすることでふかふかの土を目指すわけですね。
ミミズの多い土は良い土とかは、ミミズ自身が目に見える分解者としての役割も持っているからです。
この考えを室内でも取り入れやすくしたのが、動物性堆肥ではなく植物性の由来の堆肥ですね。

バンクスコレクション THE CONPOST、湖の恵み 琵琶湖の水草を原料にしたオーガニック肥料
こんな資材もあるのでこういうものを利用してみるのも手です!
ベラボンは、室内に土も持ち込まずに済むというのも見逃せない利点です。
植物が育てたくても土は汚れるし、虫も出てきそうで嫌!
というかたにも土に変わる園芸資材としてベラボン・プレミアムはオススメです。
しかも使った後は可燃物として処分も可能。庭がある方は土の処分も困りませんが、地域によっては土は処分出来ない地域もあり、自身で業者を探したりなにかと大変です。
ベラボンは可燃物として処分も可能。庭があれば肥料をたっぷり含んだ資材として土にすき込めば土壌改良資材としても再利用する事が出来ます。流行りのSDGsですね。
ベラボン単体でも使えますが、市販の土に混ぜることで、上記ような効果を追加して使うことが出来ます。


自作の培養土 この土作りも園芸の楽しみの一つですよね
無機質(赤玉土+鹿沼土+日向土)+ベラボン・プレミアム+活性炭
初心者におすすめポイント、軽いけど株の安定しやすい!
ベラボンはココヤシが元なのでめっちゃ軽いです。
通常の培養土の1/3程度の重さだそう、それなのにふわふわしているのでギューギューと詰め込んで株元もって鉢が浮くくらいしっかりと安定させる事が出来ます。
初心者のうちは、株を真ん中にしっかりと安定させるのってめっちゃ大変なんですよね。
ベラボンはこの安定させるのがめちゃくちゃ楽なのです。
しっかりと安定してくれると、がっしりと根付いてくれますよ。

ベラボンで植え付けてあるけどベラボン見えないの図
上の写真は、ポトスのエンジョイですが、節がつまってモサモサして可愛い感じに育ってくれています。
現在日本は、赤玉鹿沼軽石622の無機質でがっしり育てましょうが、ブームになっている気がします。
無機質だからいいとか、有機質だから虫が付くとかではなく自身の楽しみたい方向を模索するのがいいのではないかと思います。
最後にベラボンのデメリット!
これは有機物のデメリットになるかも知れません。
- 上根が作りにくい
→ストレスがないため主根がよく伸び、分岐しにくく側根・毛細根が少なくなりやすいため寒さ・環境変化のストレスに弱くなりやすい傾向があります。
植物は上(茎・葉・花)と下(根)は1対1の関係なのです。
上の充実のためには、しっかりと根を充実させる必要があるということですね。

なので、室内をエアコンで15℃以上にキープ出来るよとか、サーキュレーターでしっかりと風を循環させて挙げられます。みたいな環境をしっかりと作れる人によりおすすめです。
実際は、温度さえあれば現代の家では有機質の土だろうが無機質の土が育ちますよ
あとはどんな風に育つのが好みかです。



左から:有機質(ココチップ・日向土 2:1)、無機質多め、購入した際の一番大きな葉
有機質は一番大きく育ちましたが、全体的にふんわり、中央窓も少なく
無機質は葉が購入した際のものより小さく切れ込み。中央窓もカッコよく育ちました
あなたはどれが好みですか?
BANKSコレクション ベスト・ソイルミックス

熱帯植物栽培家 杉山拓巳さんの実験の末完成した赤玉鹿沼軽石6:2:2+αの用土

引用画像:e花屋さん様より
理想の根っこの画像 僕はこういう根っこで根鉢になっているのが大好きです。
この画像がベスト・ソイルミックスで成長した根 よく分岐していますね。
私もこの根っこを目指して自作の培養土を作っています。
ベスト・ソイルミックスの良いところは
- 無機質メインで乾きやすくて・根が分岐しやすい
- 肥料が入っていないため弱っている植物にも使いやすい
- 活力剤は十分に加えられている
- 粒度も揃っていて、微塵が少ない
これは一番最初のPremium 硬質 室内向け観葉・多肉の土に良いところが似ている気がしますが、結構別物ですね。
◎排水性
水をあげるとすっと捌けていく感じです。ウォータースペースはわざわざしっかり取らなくてもほぼ溜まらないので排水性はすごくいいです。
◎通気性
透明鉢でパンダ・ガジュマルを植え付けていますが水やり後、スーッと水が抜けていくので通気性もやはりいいですね
◎保水性
見ていて赤玉土が結構多いんですよね。見た目が結構茶色い感じ。しっかりと水を吸ってくれている様子がよく見えている。重さがしっかりと変わるので乾湿のメリハリをつけやすいですね。
◯保肥性
ここは赤玉土が多いとはいえ、鹿沼・軽石はほぼ保肥性無いので液肥などで補う必要がありますね。

水はすぐに抜けて空気もしっかりと入る良い土ですね。
△お値段
これはこだわりが詰まっていて手作業での微塵を振るう作業などいわゆる人件費すらもほぼ抜いての価格だそうです。それでも3L2000円台というのは高いですよね。良い土なのは、間違いが無いです。
ただこだわりの土を勉強した気持ちで購入しました。
色々な土を試してみましたが、この土の考え方をベースに色々な土を作って植生活を楽しみたいです。
お気に入りの植物は是非これで植え付けたいですね。
まとめ
コスパよくて、乾きやすい土がほしいなら
→PROTOLEAF Premium 硬質 室内向け観葉・多肉の土
部屋の温度が保てて、土を使わず植物を楽しみたい
→ベラボン・プレミアム
高品質で、大切な一鉢に
→ベスト・ソイルミックス
みなさんも楽しい植生活を!
皆さんの生活がより豊かになりますように! よい1日を!
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