みなさん、土作っていますか?
園芸の楽しみの一つである、土作りのお話です。
自身の参考にしている用土の考察と試行錯誤を今回徹底解説していきたいと思います。
最後までご覧いただければ室内に特化した水はけが良く、程よく水持ちして、そして根腐れしにくい用土の作り方を解説していくので、土作りしてみたい人のヒントになればよいなと思います。

おすすめ用土のお話でも書きましたが、市販の培養土はさまざまな種類があり、初心者は混乱必須です。園芸店やホームセンターで棚をみてポカーンとしたのは僕だけでは無いはず。
市販培養土おすすめはこちらへ
色々な用土はありますが、室内に向いている用土と屋外に向いている用土があり、今回は室内向けのお話ですね。もちろん個人の求める土は環境によって違います。基本的には室内では乾きにくくなるし、温度・湿度はもちろん、光や風の有無、植物の種類やサイズによっても変わってきます。
これに対して絶対的な正解というものはありません
植物は強いので基本どんな用土でも育ちます。でもせっかくなら自分で土を作ってみて、自宅の環境で育てにまにましたいじゃない。というわけで少しでもみなさまの参考なればこれ幸いと書かせていただきます。
我が家で求められる用土
まず、我が家の環境ですが、新築3年ちょっとのミサワホームの半規格住宅です。
大人気の高気密・高断熱の住宅ではありませんが、エアコンを使用して年中快適に過ごすことが出来ています。
基本的には通年15℃を下回ることはありません。窓際に置いた温度計は、屋外はマイナス二桁の際に13.4℃だったことがありますが、リビングでの植物育成は通年可能な範囲かと思います。
家中に植物を配置すると、小さい子供もいるので手が回らなくなるためLDKのみに植物は配置しています。
湿度は、ほぼ年中加湿器にて40〜60%をキープ、中央値は50%弱くらいかなと思います。
日当たりは、南に長いLDKのため春夏秋冬日中は照明いらずで生活可能、携帯の照度計アプリ(どこまで信用できるかは不明)では窓際レースカーテン越し20000〜30000ルクス、部屋の奥でも3000〜5000ルクスいわゆる本は読める明るさはあるよって感じですね。
風は以前、サーキュレーターを使用していましたが、妻に内緒で植物増やしたため使用の禁止を言い渡されており、24時間換気+加湿器の風+ミニ扇風機(悪あがき)で頑張っています。
おそらく植物好きの方からしたら、風は動かせていない方だと思います。
ちなみに時期にもよりますが、新築時に通風も意識して窓を配置しましたので、窓から風を通すこともあります。今の時期はまだ窓開けてられますが、7,8,9月は開けられないかも知れませんね。
まとめると、
- 温度…15℃以上キープ Max30℃以下
- 湿度…年間40%以上キープ 一時的に低下もあり
- 日当たり…良好 園芸店以下、ホームセンター以上くらいかな?
- 空気循環…サーキュレーターなし 24時間換気+加湿器の送風+ミニ扇風機
LDKに約20種類、25鉢程度で生活中ですね。
そこで求められる機能としては、
- 虫が湧きにくい … 妻虫キライ、子どもたちビビリ
- 乾きやすい … 風が十分に回せて無いので保水性削ってでも乾きやすさ重視 代謝UP目指す
- 根腐れしにくい … 風が回せなくなってから鉢のサイズなど間違うと腐りやすくなりました。
まだ走り回って楽しそうにしている男の子が2人もいますので、ガンガンでっかくしようぜ!というよりは盆栽の様な趣のある株姿の方が好みです。
さて前置きが長くなりましたが、我が家の用土の配合になります。
ずばり!
硬質赤玉5 硬質鹿沼土3 日向土1 プレミアム・ベラボン0.5 活性炭0.5
です。 無機質中心で有機質もわずかに追加してあります。
通称「コタ・ソイル・MIX」
はい、何を参考に作っているか丸わかりですねw

コタ・ソイル・MIX
硬質赤玉5 硬質鹿沼土3 日向土1 プレミアム・ベラボン0.5 活性炭0.5
こちらは、大変有名な熱帯植物栽培家の杉山拓巳さまの開発された用土を参考につくっていますね。
ベストソイルMIXの割合は、
赤玉6 鹿沼2 軽石2 +少々のアク抜きココチップ

肥料なしで、活力剤をしっかりと配合した用土です。
実際に使ってみて乾きやすくてすごく使いやすいです。ただ思った以上に赤玉土は崩れやすいなとういのが正直な感想です。
まあ、これは硬ければ硬いだけいいという訳ではありませんから何か考えがあるのでしょう。

こちらの画像は水やり後、数分間置いた時の写真になります。
水で濡れた面からスルスルと水が捌けて、ウォータースペースいらないくらいでした。
こちらは植え替えてから1ヶ月くらいになるでしょうか?水やりの頻度はだいたい2,3日に1度ですが、側面の赤玉土は少しずつ崩れています。しかしその隙間を縫うように根が伸びており、土が土を掴むというよりは、鹿沼・軽石にぶつかって分裂しながら赤玉の崩れた部分を滑るように根が成長しているのではないかと思って見ています。
なるほどなと感じながら我が家流にアレンジ!
乾くやすさはほぼ変えずに、有機質であるベラボン・プレミアムも加えて保水・排水・保肥性等の物理性改善も考えてみました。
あとは園芸店の店員さんと仲良くなって教えて頂いた炭も入れたいなと
これはミネラルなど微量要素の補給も兼ねて入れています。こちらは他の用土でもソイルキャッチ(土が石などを巻き込むように根を伸ばすこと)を確認していたので入れています。
正直phは図っていませんが、まあわずかならそんなに問題ないでしょうと
実際に育ててみるといい感じで度重なる植え替えでイジケていたソフォラ・リトルベイビーさんが新芽をたくさん出していい雰囲気になってきました。


まったく同じ構図ではありませんが、なんとなく成長は見て取れますかね?
まとめましょう!
硬質赤玉土 | 二本線使用 保水性・保肥力◎ 通気性・排水性◯ |
硬質鹿沼土 | 個人の感想であるが腐りにくい印象 気持ち多めに入れている 通気性・排水性◎ 保水◯ 保肥△ 経年変化で酸性へ(最初はほぼ中性) |
日向土 | 色が目立たず使いやすい 通気性・排水性◎ 保水・保肥△ 軽石でも可 多孔質で通気性良ければ大体重さも揃えたかったので今回は日向土を選択 |
プレミアム・ベラボン | 前日に1Lに対して20〜30ml程度にリキダスを含ませる そのままでもよりがより効果があると信じたい 通気性・排水性・保肥性◯ 保水◎ 膨張と収縮で通気の確保 微生物の餌になってくれたらいいな程度に採用 |
活性炭 | ミネラル等の微量要素補給目的 多孔質なので通気性の確保も気持ち程度に くん炭は排水性悪くしそうなので活性炭や竹炭の小粒がよさげ ダイソーの靴等の消臭として売ってたりするので砕いて使用してもコスパ良い、そんなに使わないし 通気◯・排水◎・保水◯・保肥◯? |
こちらの用土は、無肥料で活力剤は気持ち程度に使用しています。必要に応じてアレンジも出来ますね。
簡単な解説としては、
無肥料な理由は、根に肥料分をしっかりと探させるため、弱っている植物にも使用しやすいようにですね。
見ていると鹿沼や日向土・活性炭・ベラボンはかなり根がソイルチャッチしている気がしています。適度に赤玉土から水貰いながらも肥料や水分を探している印象です。植え替えをしているものをみてもダイソー産パキラもかなり根が分岐していて成長はゆっくりですが、モジャモジャのひげ根の様な成長をしていて嬉しくなりますね。
具体的な文献は探していても出てこなかったのですが、鹿沼土はやはり根腐れが起こりづらい気がしていて以前緑色のプロトリーフ 室内向け観葉・多肉の土を篩に掛けて使用した際にほぼ崩れて鹿沼土ばかりだった事がありましたが、なかなか良かったんですよね。
その当時根腐れも知らないマジモンの初心者だったんですが、ポトスさんめっちゃ調子良かったんですよね。ずっとなぜか気になっていたのですが、
熱帯植物栽培家の杉山拓巳さんの「観葉植物 パーフェクトブック」の中に鹿沼土小粒の項目で
やや硬く酸性のため根が腐りにくい。水はけ、水もちがよく、凍らない限り崩れにくい。
との文章があり、なんとなく自分の中では納得。なので杉山さんの提唱する622から少しズラして有機物も入れる分もこじ開けて
硬質赤玉5 硬質鹿沼土3 日向土1 プレミアム・ベラボン0.5 活性炭0.5 と相成りました。
もちろん小豆洗いが如くふるいにかけて、にやにやしながらせっせと作業して作りました。
ちなみに3mm以下はふるいで除外しています。

日の下で見ると我が用土は美しいですね、自画自賛です
そして妻が聖地(キッチン)の整理で不要となった先代米びつパイセンを頂いて玄関下に隠す収納しております。

これ軽量カップのホルダーも中についていてそこに土入れも収納できて、キャスターで引き出しスムーズ
実は園芸用品なのではというくらい使いやすくてビビってます。
この土の良いところは全部自然素材なので庭があれば、そのまま土壌改良材としてすき込めます。
地域によっては、処分の方が大変なので植え替え後は家庭菜園にどうですか?
是非、使ってみて下さいね!

余談 市販用土+NEKOさん風チップ+湖の恵
ちなみにシンボルツリーのフィカス・ベンガレンシス・オードリーだけは、市販品と混合配合を試しており
プロトリーフ Premium 硬質 室内向け観葉・多肉の土 4 ココチップ+軽石(2:1) 4 湖の恵 2 活性炭少々
とこちらは、有機質多めで大きくしっかり育つように配合してみました。
根腐れも心配でしたが、大きくて根がしっかり張っているのでまぁ大丈夫でしょうと。
シンボルツリーなのでこちらは葉っぱも大きく、モサモサしていて欲しいのでこの配合に落ち着いています。

黒っぽい土は好きでは無いので某NEKOチップ風用土でマルチングしてあります。

そろそろ鉢カバー欲しいな、いいのが無いんですよね
どなたか8号鉢にあういい感じの鉢カバーあれば教えて下さい。
まとめると!
Premium 硬質 | 焼成赤玉・焼成軽石・珪藻土・ゼオライト等 無機質マシマシで硬い、いい感じ 通気◎・排水◎・保水△〜◯・保肥△〜◯ 微塵は本当に少ないです |
コタチップ | ヤシガラ蘭土2+洗った軽石1の某チップのマネっ子 私は合わなかった 通気◎・排水◎〜・保水◯・保肥◯ |
湖の恵 | 今回使用したかった目玉 植物由来の有機肥料 微生物発酵にてふわふわ用土に(希望) 動物性と違い匂いがほぼなく、ゆっくりと効く ミネラル等微量要素も++ 特にアミノ酸…微生物増やして、植物に吸収しやすく 植物の餌 フルボ酸…ミネラルやアミノ酸を吸収しやすくする 保肥力を高める 通気◯・排水◯(単体では✕)・保水◎・保肥◎ 炭素比11 園芸店の店員さんおすすめは2〜3割程度入れると良いと |
活性炭 | 最近のお気に入り 影の立役者 縁の下の力持ち 通気◯・排水◎・保水◯・保肥◯? |
最近私の中で有機質ってすごく大事じゃね?っていうブームがあってそれを室内で使える形で実現させたものです。
土自体の評価としては 通気◎ 排水◎ 保水◎ 保肥◎(希望)
8号鉢で風ほぼ無し環境の室内 大体1週〜10日程度では必ず乾きます。
今は室内の少し奥まった場所 大体晴れた日でも5000ルクス程度しかない場所ですが、新芽もよく動いてくれています。 これは日陰でも対応してくれるベンガレンシスさんの力かもしれませんが。
よく化成肥料を使いすぎると土の力が弱くなって固くなるとか聞くと思うのですが、
これは微生物が強く関係しているのです。
化成肥料は、植物の成長に必要な肥料分がたくさん入っていて直接吸収しやすくしていますが、微生物の餌になるのものはほぼ無いので段々と力が弱っていきます。正直数年に1度植え替えをしていれば、微生物の働きが少なくなる前に土の入れ替えが出来ますが、それはそれ!
鉢の中で小さな自然を作っていく時にやはり微生物の力を借りるのはとても大事ですし、有機物には少なからず微生物が住み着いて分解していくのでその力を是非利用したいですね。
やはり、私達人間も自然に生かされているので、自然の流れを一鉢で再現していくというのも園芸の楽しみ方の1つでは無いでしょうか
そんなために堆肥系というのかの利用もこれから少しずつ実験しながら楽しみたいと思います。

左からTHE・COMPOST、湖の恵 どちらも植物が吸収しやすい肥料

左から湖の恵、コタチップ、活性炭
いかがでしたか?
みなさんの土作りの参考になれば幸いです。今日も良い一日を!

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